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照らし屋のヒカリゴト
<不定期更新>

コラム

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2016年7月11日

image1.JPGブログ再開に伴い一発目に何書こうか迷ったけれど、やっぱりブルーモーメントの話だなと。

セミナー等で光の話をするときに、まず最初に話すのもこの話。
ブルーモーメント

よく晴れた日の、日没後から暗くなる前までの20分ほど訪れる青の時間。
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あらゆる陰影が青色に染まる、この僅かな時間帯にみる暖かな色合いの光が最も美しいと言われており、僕もそう思います。
元はフィンランドの言葉のSininen Hetki(読み方忘れた)を英訳した言葉で、北欧のように緯度が高い地域では、季節によっては青の時間が何時間も続きます。

そしてこの時間の美しさを大事にした結果、北欧の光はとても質の高いものになったとも言われています。
 
また、この時間をマジックアワーと呼ぶ方もいますが、これは夕焼けから夜へと空がみるみる移り変わっていく時間帯をさしているので少し違います。
ブルーモーメントはその中のもっと儚い時間を指していて、言葉としてもこちらの方が儚く美しいと個人的には思います。
まだまだいくらでも書きたい題材ですが長くなると続かない事がわかったので、ここで切ります。
#写真1 ガラスの茶室(設計:吉岡徳仁)@京都将軍塚青龍殿
#写真2 LPA展覧会 Nightscape2050

2016年7月5日

スクリーンショット 2016-07-05 16.51.00

数年ぶりにホームページの更新をした。

サボってた訳ではなく、MacのOSをアップデートしたらホームページの編集ができなくなってしまい、

ソフトを新しくしてほぼ1から組み直す必要があったため、面倒くさくてサボってた。

 

ブログも書かず、twitterもつぶやかず、プロジェクトの実績もアップせず、全力でサボってた。

 

今年のはじめに、仕事内容が知らない人でも分かるよう写真だけでも見れるようにしておけといわれたので、

instagramでルミノシティアカウントをつくって、ちょっとずつアップしていってたけども、

まあ普通に考えたら結局知らない人はそれも見ることもないので、ホームページにinstagram連携させることにした。

ついでにブログもちゃんと環境を整えようと思い、ホームページ内に組み込んだ。

 

で、今書いてるのはテスト投稿。

 

うまくホームページに反映されたら、今後はちょこちょこ書いていこうと思います。

 

よろしくお願いします。

 

2011年9月12日

今、日本は大きな転換期に立たされています。

半年前に東日本を襲った未曾有の災害以降、電力供給量の不足が問題となり、人々の間で節電の意識が大きく高まっています。

 

節電実績が目に見える照明は真っ先にその対象とされ、多くの人々が街の暗さを体感しながら過ごすこととなりました。

 

看板やショーウィンドウの光は消され、駅やオフィスの蛍光灯は減り、あらゆる施設で消灯、減灯が施されました。

 

これまで明るさを無条件に歓迎してきた風潮が覆され、いまや明るいことが電力の無駄遣いの象徴のように扱われることになったのです。

 

このような世の中の流れをうけて、

その照明に携わる人間として感じる事、考える事、願う事を、

 

半年ぶりのブログ更新を機会に書き綴ってみようと思います。

 

 

暗い街

 

実のところ、僕にとって、そしておそらくは照明デザインを職能とする人や日本の光文化を真摯に考える人の多くにとって、暗くなった街は、

節電によって強いられた不本意な努力の成果である一方で、これまでの光に対する旧時代的な価値観を見つめ直す重要なマイルストーンであるとも考えています。

 

消灯・減灯によって暗くなった街を体感した方々は実際にどのように感じたのか。

 

これまでは明るいことが当たり前だったので、当初は戸惑いを感じたとは思いますが、次第に気にならなくなってはいませんでしたか。

 

そして中には「このぐらいの暗さの方が雰囲気がいい」と感じるような場所もあったのではないでしょうか。

僕は、日本の街の夜は必要以上に明るすぎたと感じています。

 

日本では戦後の高度経済成長期の発展に伴って、より明るく白い光を希求してきたという事は日本の光の歴史を語る上で頻繁に語られる史実です。

 

豊かさの象徴として明るい事が無条件にいいことだとする価値観のもと、街の夜は年々明るくなってきたのです。

 

その価値観は特に住宅空間において顕著に現れ、現代の日本人の多くは白く明るく均一に照らされたリビングで夜を過ごしています。

 

しかし節電を通じてこの価値観が逆転し、明るくする事はよくないことであり、後ろめたい行為であるかのような風潮が生まれた今こそ、

 

夜の光のあり方を、改めて皆で考えるべき時なのではないでしょうか。

 

 

光の取捨選択

 

実際に節電によって明るさを制限された街で過ごすなかで、その暗さが全く不快でも不便でもない空間は確かに存在しました。

 

しかし一方では極端な消灯により、安全性に不安を憶える箇所もあったり、オフィス空間の減灯により作業効率が落ちてしまうというような報告も聞かれました。

 

現在は夏もこえて、電力供給量不足の問題は小休止に入っていますが、

節電意識は継続していて、街には快適な暗さと不快な(もしくは不便な)暗さが混在しているように感じます。

では、節電によって生じる「快適な暗さ」と「不快な暗さ」の違いはどこにあるのか。

その答えのひとつは光の取捨選択にあると考えます。

本来、照明による節電を考える時には、ジェンガの積み木を抜くように、必要な光を慎重に見極め、消してもよい光を丁寧に選ぶ必要があります。

 

安直に光を減らしてしまうと、多くの場合その積み木は崩れ、無惨な結果となります。

 

しかし減らす光と残す光を丁寧に選んでいけば、明るさは落ちても不快さの感じない空間、場合によってはより快適な空間に変える事も可能なのです。

 

実際に東京の街を歩いてみても、

 

「あちらの照明をつけて、こちらを消した方がずっといい雰囲気がつくれるのに。。」

 

といった感想をもつ空間がいくつもありました。

 

つまり適切な光の取捨選択によってこそ、節電にともなう暗さの中で、快適性を実現することができるのです。

 

 

LED照明の台頭

 

また照明の節電については、LED照明への置換えという大きな流れも生まれています。

 

LED照明は消費電力も少なく長寿命とされ、価格も年々下がってきています。

 

メーカーによる品質の差はとても大きいですが、充分に採用できる製品は、昨年と比べても劇的に増えています。

 

このエコロジカルな光の技術が、世の中の光の大半を担うことになるのは間違いないでしょう。

 

そうした流れの中で、僕らが何も考えずに傍観していれば、明るさに対する免罪符を持つこの光源によって、むやみに明るい夜がまたすぐに取り戻されてしまいます。

 

果たしてそれは目指すべき復興の姿なのでしょうか。

 

エコな技術に頼った無駄な明るさなんて決してエコではありません。

 

豊かさの象徴が光の量である時代はとっくに終わっているのです。

 

 

豊かな光

 

繰り返しになりますが「明るい=豊かな光」ではありません。

 

だからといって「明るくするな」と言うつもりはないし、

 

「暗いほうがいい」と布教する気もありません。

 

明るいことが必要な空間はいくらでもあります。中には明るさによって魅力的になる場所も沢山あるでしょう。

 

そういった場所まで暗くしてしまうと、やはりそれは貧しい印象を与えてしまうと思います。

 

僕が伝えたいのは、その光が本当にその場所に適切なのかをちゃんと考えてほしいという事です。

 

例えば住宅のリビング。

帰宅してくつろぐための空間が白くて明るい光で均一に照らされている必要がありますか?

 

天井に張り付く白い円盤を消して、代わりにオレンジ色の光を放つスタンドライトを2つ程つけてみれば、もっとリラックスできるはずです。

 

きっとお酒もおいしく飲めるし、そんな光に照らされた人はより魅力的にみえるでしょう。

 

さらにテーブルの上でキャンドルでも灯せば、帰宅後の時間はずっと豊かに過ごせるのではないでしょうか。

 

日本には元来、光の移ろいを繊細に捕える表現や、太陽の光やろうそくの灯を和紙をつかって拡散させる(障子や行灯)といった誇るべき光の文化がありました。

 

その豊かな感性はきっとみなさんの中にも根付いています。

 

私たちが夜の暗さとうまくつきあっていく習慣を取り戻したとき、

我慢によるネガティブな暗さでなく、心地よさを求める上でのポジティブな暗さが広く受け入れられるようになると思うのです。

豊かな光とはその場にいる人の多くが豊かな気持ちになる光です。

光を与える事で生まれる豊かさもあれば、光を抑える事で生まれる豊かさもあります。

 

ショーウィンドウの光はやはり灯されていて欲しいし、レストランやホテルでは明るさを抑えて欲しい。

 

駅構内はそんなに明るくなくてもいいと思う一方で、すばらしい建造物である東京駅の外観は光で夜の魅力を演出して欲しいと思う。

 

これはあくまで僕個人の感覚ですが、大事なのはそれぞれがその空間にとって適切な光をちゃんと考えること。

まずは皆さんも自宅の光を考えてみて欲しいとおもいます。

 

ベッドに入る直前まで灯される白くて明るい光を豊かな光と呼ぶのか。

 

もちろん答えは人それぞれでいいのです。

 

皆さんが身近な光についてちゃんと考えてみることが、

 

ポジティブな節電と快適な暮らしにつながっていくと信じています。

 

そしてそういった習慣の先にこそ、これからの日本の照明のあるべき姿がみえてくるのではないでしょうか。

 

 

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