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照らし屋のヒカリゴト
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趣味

2011年2月26日

先日、神奈川芸術劇場こけら落とし公演『金閣寺』を観に行ってきました
神奈川芸術劇場(通称『KAAT』)は前の会社で4年間続けたプロジェクトで、

竣工直前に引き継いだため、一度完成した内部をちゃんと見ておきたいと思い、

こけら落とし公演のチケットを入手し潜入してきました。
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当然、建築照明の仕上がりを個人的に確認するために行ったのですが、

今回は照明ではなくそこで行われた演劇について書きます。

なぜなら、その公演がとにかく素晴らしかったから
ということで以下、舞台『金閣寺』について。

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原作/三島由紀夫 原作翻案/セルジュ・ラモット 台本/伊藤ちひろ 
演出/宮本亜門
出演/森田剛、高岡蒼甫、大東俊介、中越典子 etc

あらすじ
日本海のさびれた港町の寺にうまれた溝口は生まれつきの吃音でうまく他人とコミュニケーションをとれず、疎外感に悩まされている。幼いころから父親に金閣の美しさについて聞かされてきた溝口は金閣に対して信仰に近いまでの憧憬を抱いていく。しかし、父に連れられて初めて見た金閣は溝口の想像とあまりにもかけ離れており、溝口を落胆させた。父が死去してからは、鹿苑寺(金閣寺)の徒弟として京都での生活を始める。戦火が日本本土を襲うさなか、溝口は金閣が空襲の火に焼け滅ぼされるという幻想を抱く。それは金閣の美しさもまた生物と同じく、死に向かう限りある「真の美」なのであると。しかし、京都には空襲もなく戦争は終わった。金閣寺は永遠にそこに立ち続けるかのごとく存在していた…
成長の過程で向き合わされる現実、世俗への嫌悪、絶望の中で、溝口は金閣の幻影に囚われていく。
世界を変えるのは「認識」か「行為」か。青春の葛藤を痛ましいまでに繊細に描く。
主演が森田剛さんということもあって、会場は9割方女性。

ジャニーズ主演で三島文学をやるということに不安を感じつつも開演時間を迎えたのですが、

いや、ほんと森田剛さんごめんなさい
完全に見くびってました。
そこで表現されていたのはエンターテイメントというよりも完全に文学の世界。
主人公が金閣寺に抱く精神性や、登場人物それぞれのキャラクターや心の動き、その意味合いが非常にうまく舞台化されていて、『素晴らしい』の一言です。
元々昭和文学は共感しにくいので、苦手意識があったのですが、共感出来ようが出来まいがその素晴らしさは変わらない事を知らされました。
主人公に何の感情移入もしていないのに、気がつけばドキドキしながら魅入ってしまっている。
そして最後に主人公が発したひとつの言葉。

『生きよう。』

訴えかけるのではなく、つぶやくように発せられた言葉は、3時間の舞台で充分に開かされた感官に、染み渡り、広がっていきました。
盛大なスタンディングオベーションで幕を下ろしたこの舞台。
三島由紀夫氏が作品を通して伝えようとしたものがあるとすれば、それはこの舞台でより力強いものとなって発せられていたのではないでしょうか。
このような記憶に残る素晴らしい舞台に、偶然にも出会えた事は、とても運がいいと思います。
興味ある方にはもちろん、元々興味の無かった私までこれほど感動できた舞台なので、ぜひ多くの方にオススメしたい作品です。
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あ、あと森田剛さん完全に坊主でした

(作品にたいする個人的解釈や受け止めたもの、私のなかで生まれたものに関して書くのは長くなる上に、対して意味もないので、割愛しました