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照らし屋のヒカリゴト
<不定期更新>

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2016年7月13日

京都の提灯職人 小嶋商店が展開するブランド 小菱屋忠兵衛にて作ってもらった提灯。

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イサムノグチのレプリカもチープに見えてしまう程の質感に惚れ惚れします。
荒い和紙の透け感も、
繊細な竹の密度も、
その竹の節の流れが見えてくる感じも、
とても美しい。
小菱屋忠兵衛はイケメン兄弟職人としてちょこちょこメディアにも登場している兄弟なので、
提灯か、京都の職人か、イケメンに興味ある方はチェックしてみて下さい。
小菱屋忠兵衛
小嶋商店
京都という土地柄、提灯の似合う案件も少なくないので、今後も色々とお世話にならせていただく予定です。


また、この提灯を実際に空間に吊るした様子は、物件が竣工次第ここかinstagramにアップします。

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2016年7月11日

image1.JPGブログ再開に伴い一発目に何書こうか迷ったけれど、やっぱりブルーモーメントの話だなと。

セミナー等で光の話をするときに、まず最初に話すのもこの話。
ブルーモーメント

よく晴れた日の、日没後から暗くなる前までの20分ほど訪れる青の時間。
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あらゆる陰影が青色に染まる、この僅かな時間帯にみる暖かな色合いの光が最も美しいと言われており、僕もそう思います。
元はフィンランドの言葉のSininen Hetki(読み方忘れた)を英訳した言葉で、北欧のように緯度が高い地域では、季節によっては青の時間が何時間も続きます。

そしてこの時間の美しさを大事にした結果、北欧の光はとても質の高いものになったとも言われています。
 
また、この時間をマジックアワーと呼ぶ方もいますが、これは夕焼けから夜へと空がみるみる移り変わっていく時間帯をさしているので少し違います。
ブルーモーメントはその中のもっと儚い時間を指していて、言葉としてもこちらの方が儚く美しいと個人的には思います。
まだまだいくらでも書きたい題材ですが長くなると続かない事がわかったので、ここで切ります。
#写真1 ガラスの茶室(設計:吉岡徳仁)@京都将軍塚青龍殿
#写真2 LPA展覧会 Nightscape2050

2011年9月12日

今、日本は大きな転換期に立たされています。

半年前に東日本を襲った未曾有の災害以降、電力供給量の不足が問題となり、人々の間で節電の意識が大きく高まっています。

 

節電実績が目に見える照明は真っ先にその対象とされ、多くの人々が街の暗さを体感しながら過ごすこととなりました。

 

看板やショーウィンドウの光は消され、駅やオフィスの蛍光灯は減り、あらゆる施設で消灯、減灯が施されました。

 

これまで明るさを無条件に歓迎してきた風潮が覆され、いまや明るいことが電力の無駄遣いの象徴のように扱われることになったのです。

 

このような世の中の流れをうけて、

その照明に携わる人間として感じる事、考える事、願う事を、

 

半年ぶりのブログ更新を機会に書き綴ってみようと思います。

 

 

暗い街

 

実のところ、僕にとって、そしておそらくは照明デザインを職能とする人や日本の光文化を真摯に考える人の多くにとって、暗くなった街は、

節電によって強いられた不本意な努力の成果である一方で、これまでの光に対する旧時代的な価値観を見つめ直す重要なマイルストーンであるとも考えています。

 

消灯・減灯によって暗くなった街を体感した方々は実際にどのように感じたのか。

 

これまでは明るいことが当たり前だったので、当初は戸惑いを感じたとは思いますが、次第に気にならなくなってはいませんでしたか。

 

そして中には「このぐらいの暗さの方が雰囲気がいい」と感じるような場所もあったのではないでしょうか。

僕は、日本の街の夜は必要以上に明るすぎたと感じています。

 

日本では戦後の高度経済成長期の発展に伴って、より明るく白い光を希求してきたという事は日本の光の歴史を語る上で頻繁に語られる史実です。

 

豊かさの象徴として明るい事が無条件にいいことだとする価値観のもと、街の夜は年々明るくなってきたのです。

 

その価値観は特に住宅空間において顕著に現れ、現代の日本人の多くは白く明るく均一に照らされたリビングで夜を過ごしています。

 

しかし節電を通じてこの価値観が逆転し、明るくする事はよくないことであり、後ろめたい行為であるかのような風潮が生まれた今こそ、

 

夜の光のあり方を、改めて皆で考えるべき時なのではないでしょうか。

 

 

光の取捨選択

 

実際に節電によって明るさを制限された街で過ごすなかで、その暗さが全く不快でも不便でもない空間は確かに存在しました。

 

しかし一方では極端な消灯により、安全性に不安を憶える箇所もあったり、オフィス空間の減灯により作業効率が落ちてしまうというような報告も聞かれました。

 

現在は夏もこえて、電力供給量不足の問題は小休止に入っていますが、

節電意識は継続していて、街には快適な暗さと不快な(もしくは不便な)暗さが混在しているように感じます。

では、節電によって生じる「快適な暗さ」と「不快な暗さ」の違いはどこにあるのか。

その答えのひとつは光の取捨選択にあると考えます。

本来、照明による節電を考える時には、ジェンガの積み木を抜くように、必要な光を慎重に見極め、消してもよい光を丁寧に選ぶ必要があります。

 

安直に光を減らしてしまうと、多くの場合その積み木は崩れ、無惨な結果となります。

 

しかし減らす光と残す光を丁寧に選んでいけば、明るさは落ちても不快さの感じない空間、場合によってはより快適な空間に変える事も可能なのです。

 

実際に東京の街を歩いてみても、

 

「あちらの照明をつけて、こちらを消した方がずっといい雰囲気がつくれるのに。。」

 

といった感想をもつ空間がいくつもありました。

 

つまり適切な光の取捨選択によってこそ、節電にともなう暗さの中で、快適性を実現することができるのです。

 

 

LED照明の台頭

 

また照明の節電については、LED照明への置換えという大きな流れも生まれています。

 

LED照明は消費電力も少なく長寿命とされ、価格も年々下がってきています。

 

メーカーによる品質の差はとても大きいですが、充分に採用できる製品は、昨年と比べても劇的に増えています。

 

このエコロジカルな光の技術が、世の中の光の大半を担うことになるのは間違いないでしょう。

 

そうした流れの中で、僕らが何も考えずに傍観していれば、明るさに対する免罪符を持つこの光源によって、むやみに明るい夜がまたすぐに取り戻されてしまいます。

 

果たしてそれは目指すべき復興の姿なのでしょうか。

 

エコな技術に頼った無駄な明るさなんて決してエコではありません。

 

豊かさの象徴が光の量である時代はとっくに終わっているのです。

 

 

豊かな光

 

繰り返しになりますが「明るい=豊かな光」ではありません。

 

だからといって「明るくするな」と言うつもりはないし、

 

「暗いほうがいい」と布教する気もありません。

 

明るいことが必要な空間はいくらでもあります。中には明るさによって魅力的になる場所も沢山あるでしょう。

 

そういった場所まで暗くしてしまうと、やはりそれは貧しい印象を与えてしまうと思います。

 

僕が伝えたいのは、その光が本当にその場所に適切なのかをちゃんと考えてほしいという事です。

 

例えば住宅のリビング。

帰宅してくつろぐための空間が白くて明るい光で均一に照らされている必要がありますか?

 

天井に張り付く白い円盤を消して、代わりにオレンジ色の光を放つスタンドライトを2つ程つけてみれば、もっとリラックスできるはずです。

 

きっとお酒もおいしく飲めるし、そんな光に照らされた人はより魅力的にみえるでしょう。

 

さらにテーブルの上でキャンドルでも灯せば、帰宅後の時間はずっと豊かに過ごせるのではないでしょうか。

 

日本には元来、光の移ろいを繊細に捕える表現や、太陽の光やろうそくの灯を和紙をつかって拡散させる(障子や行灯)といった誇るべき光の文化がありました。

 

その豊かな感性はきっとみなさんの中にも根付いています。

 

私たちが夜の暗さとうまくつきあっていく習慣を取り戻したとき、

我慢によるネガティブな暗さでなく、心地よさを求める上でのポジティブな暗さが広く受け入れられるようになると思うのです。

豊かな光とはその場にいる人の多くが豊かな気持ちになる光です。

光を与える事で生まれる豊かさもあれば、光を抑える事で生まれる豊かさもあります。

 

ショーウィンドウの光はやはり灯されていて欲しいし、レストランやホテルでは明るさを抑えて欲しい。

 

駅構内はそんなに明るくなくてもいいと思う一方で、すばらしい建造物である東京駅の外観は光で夜の魅力を演出して欲しいと思う。

 

これはあくまで僕個人の感覚ですが、大事なのはそれぞれがその空間にとって適切な光をちゃんと考えること。

まずは皆さんも自宅の光を考えてみて欲しいとおもいます。

 

ベッドに入る直前まで灯される白くて明るい光を豊かな光と呼ぶのか。

 

もちろん答えは人それぞれでいいのです。

 

皆さんが身近な光についてちゃんと考えてみることが、

 

ポジティブな節電と快適な暮らしにつながっていくと信じています。

 

そしてそういった習慣の先にこそ、これからの日本の照明のあるべき姿がみえてくるのではないでしょうか。

 

 

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2011年2月26日

舞台『金閣寺』も素晴らしかったですが、今回はその会場となった建築の紹介。

神奈川芸術劇場『KAAT』とNHK横浜放送会館の複合(融合?)施設。

新建築社HPより抜粋した建築情報がこちら

神奈川芸術劇場・NHK横浜放送会館
設計 都市再生機構神奈川地域支社
香山・アプル総合・アプルデザイン設計共同体
施工 鹿島建設
所在地 神奈川県横浜市中区
新建築 2011年1月号 093頁
1,2階がNHK横浜放送会館,2階以上に神奈川県立の最大席数1,300席の演劇,ミュージカル,ダンス等のための専用劇場や,小劇場や稽古場となる大・中・小の大きさの異なるスタジオを持つ.ホールのエントランスを5階とし,そこへ導く動線として8層吹き抜けの大きなアトリウム空間を設けている.南側のガラスファサードは,夜になるとガラス1枚ごとにランダムに点灯され,本町通りを明るく照らす.
写真紹介
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ガラスファサードは通常時ガラス一枚毎のランダム点灯ですが、公演前の数十分間は観客を迎える光として全点灯されています。
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手形のオブジェ。照明はLED。
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ポスター前の7灯にはウォールウォッシャーダウンライトを用いて壁に光を向けています。
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メインエントランス
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アトリウム
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ロゴ。佐藤卓さんによるデザイン。
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アトリウム見下ろす。

ホールの中は撮影不可だったので神奈川県のHPからの引用写真。
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赤い椅子が印象的です。

建物の裏側(中華街方面)には遺跡の展示通路があります。
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LEDスポットの光は指向性が強いので、対象物を強調して見せたいときに有効です。

ぐるっと全体を観て回りましたが、県とNHKという一般的に堅いイメージのある機関が建てた建築としては面白い造りになっていて、新しい文化を発信する基地としての役割にふさわしい優れた施設になっていると思います。
皆さんもぜひこの新しい都市型の劇場で演劇を楽しんでみてください。
大さん橋山下公園中華街もすぐ近くなので、友人と行っても、デートで行っても、よい一日がおくれること請け合いです

2011年1月18日

年はあけましたが年末に東京でみてきたイルミネーションの写真と感想を載せておきます

対象は表参道、六本木ヒルズ、東京ミッドタウンの3つ。
表参道
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表参道イルミネーションは街のイメージと同様、品のある光でとても綺麗です。

電球色のLEDと空の青色がお互いに引き立て合ってて良い感じ。

イルミネーションの手法としては古典的ですが、表参道特有の大きなケヤキの樹影のおかげで十分に街の個性が表現されていると思います。

これを他の街でやったら古くてどこにでもあるイルミネーションになってしまうので気をつける必要がありますね。

六本木ヒルズ
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けやき坂イルミネーション

白と青のLEDを混ぜて使い、雪をイメージしたイルミネーション。

六本木ヒルズがオープンした2003年以降、ここを真似して全国各地に青いLEDのイルミネーションが広がっていきました。
このイルミネーションはヒルズ風イルミネーションのパイオニアとして毎年バージョンアップを重ねながら多くの人を魅了しています。
僕がまだ学生だった2003年の冬、目の前に広がるこれまでにみた事の無い美しい光景にすごく感動しました。

ちなみに僕はその初年度のイルミネーションが現在と比べても一番美しいと考えています。感動によって多少記憶が美化されている事は否めませんが、そう断言する一番の理由は当時のLEDの品質の低さです。

そのLEDは技術の問題なのか、単に交流電源仕様にした事によるものなのかはわかりませんが、LEDの光の一粒一粒が不安定でちらちらと震える様な動きをしていて、それが今には無い魅力となっていたのです。
けやき坂通りに並ぶ木々の幹や枝を覆い尽くす無数の光の粒が、まるで夜空に瞬く星の様に震え煌めく光景は心まで響く美しさでした。
今ではLEDの光も安定し、それぞれの粒が力強く光を放っているので、これもまた当時とは違った美しさを持っていると思いますが、やはりあのときの感動は忘れられません。

いずれあのときの様な儚い光の似合う、大規模なイルミネーションの仕事をいただくことがあれば、ぜひメーカーと協力して、質の低いLEDを使ってみたいと思います(笑)
ついでにヒルズ内の66広場の写真。
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ここは毎年テーマが変わって色々やっています。
今年は風に揺れる光の草原の様なプロダクトでした。
基本六本木は風がいつも強いので綺麗です。
続いて毛利庭園
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写真ではうまく撮れませんでしたが、水上の構造体に取り付けられた光が色や明るさを変化させていきます。
水に映る光も綺麗でしたが、日本庭園の池に浮かぶシャンデリアみたいな光には少し違和感がありました。

ミッドタウン
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圧倒的な光の量とダイナミックなプログラミングを用
いたエンターテイメントでした。

「綺麗」とか「美しい」ではなく「凄い」という感想です。

一昔前は光が何万粒とかいう量で競ってましたが、今後は動きや演出がどんどん増えてくる事になるでしょう。こういった世の中の動きは逆に無個性を生み出してしまう危険をはらんでいるので、慎重にその街らしさを考えながら計画してほしいものです。
ちょっとけやき坂に思い入れが強すぎて、想像以上に長くなってしまいました
終わりにします。

2010年12月27日

年末は何かとライトアップイベントが多いですね。

今回は嵐山で行われた光のイベントに行ってきました。

花灯路は2003年から京都で始まった「灯り」をテーマにした観光事業です
もともと東山界隈で行われていたものですが、2005年からは嵐山でも開催されるようになりました。

東山 花灯路は過去何回か観に行っていたのですが、嵐山は今回が初めてなので、わりと期待して観に行きました。

三脚をたてる場所も限られていたので、あまりいい写真は撮れませんでしたが、いくつか載せておきます。

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渡月橋から嵐山をみた景色。桂川の対岸からハイパワーの照明で照らされています。

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器具はこんな感じ。
1000wのHID器具で青や赤などを数灯ずつ用いてなんとなく色演出がされています。

ただ山という巨大なものを照らして美しく魅せるというのは難しいですね。

対岸に渡って下流の方から橋越しにズームで撮れば綺麗な写真になるみたいですが、
実際に美しさを体感するとなると厳しいようです。
続いて竹林の小径。
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歩くとかなり長い小径なのですが照明器具を使い分けて、エリア毎に雰囲気の異なる空間を造っていました。

その他。
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渡月橋に続く通り。
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店から漏れる電球色の光が石畳の歩道を照らす雰囲気はいいのですが、
道路照明が水銀灯の青白い光なので通り全体の印象をぶちこわしています。
ということで最後少し残念な気持ちのまま、帰宅すべく阪急嵐山駅にいくと。。

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かっこいい
屋根や柱は無骨な構造体なのにオレンジの光(多分ナトリウムランプ)で統一した事でレトロモダンな空間になっててちょっと感動しました。

日没直後のブルーモーメントに訪れたら、空の青とのコントラストでかなり美しい風景になるはず。
今度時間と天気を見計らっていってみよう

ちなみに次回花灯路は東山で2011年3月12日〜21日の日程で行われるそうです。
その期間に関西方面へお越しの際にはぜひ立ち寄ってみてください。

2010年12月10日

先月、京都の東山近辺で行われた秋のライトアップを観て来ました

午後に大阪で打ち合わせがあったため、残念ながら京都に着いた頃にはブルーモーメントも過ぎていて、頭上は完全な夜空。

結局時間の都合もあり、境内にはいる事が出来たのは高台寺、圓徳院、清水寺の3つ。

平日にも関わらず、東山にはライトアップ目当ての沢山の人が来ていて、静かに観賞という訳にはいきませんでしたが、いくつか写真を撮ったのでご紹介します

まずは高台寺

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臥龍池(がりょうち)
一番のビューポイント。眩しくないよう配置された光で水面に映る紅葉をとても綺麗にみせています。
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竹林
竹の青さを際立たせるためにここだけは青白い光(水銀灯?)で照らされています
上に向けた光が葉の裏側に跳ね返されて、辺り一体が柔らかな光で包まれていました。
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台所坂
高台寺のライトアップは丁寧に計画されているので、光源のグレア(眩しさ)もなく、
夜の闇もいかされていて質の高い印象を受けました。

また、石庭ではイタリア人(照明?)デザイナーが手がけたライティングがありましたが、美しい光のデザインというよりも、映像を使ったアート作品だったので時間の都合でスルーしました。
続いては圓徳院

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微妙という言葉が嫌いなのであえてはっきり言います。

「残念。。」

せっかくの庭園をただ全体的に明るくしてしまっているため、夜ならではの魅力が活かされていません。ただ明るくするぐらいなら、昼間に太陽の光のもとで見た方がよほど美しく見えます。
元々素晴らしい庭園なので、ライティングはもっと繊細に計画して欲しかったです。。

最後に清水寺

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一般的に京都の寺社仏閣のライトアップと聞いて初めに思い浮かぶのがこの清水寺でしょう。
境内が広い分多少おおざっぱな計画にはなっていますが、十分訪れる価値のあるものだと思います。

オーソドックスな照明手法で全体を構成しつつ、境内の奥からは京都の夜空を貫く一条の光がダイナミックに発せられていて、その光は強く人目を引くものになっています。

観光的にはただのライトアップだけではなく何か目玉となる+αが欲しい。歴史的にも重要な伝統ある建物で変わった事をするのは、多方面からの反対もでやすく、本当に難しい事なのですが、この一条の光はその+αとしては最良の解のひとつと言えるのではないでしょうか。

あと贅沢を言えば、本殿や舞台をより美しく魅せる光があれば最高だと思います。

以上が今年観た京都紅葉ライトアップのご報告です

観光地の魅力をライトアップでみせることは、それを魅力的にすればするほど夜に訪れる人が増え、その事は当然宿泊客も増加にもつながります。

こういった取り組みは全国的にも増えてきていますが、中には集客を求めてギラギラのイルミネーションを施してしまい、結果どこかで観た様な景色が生まれてしまっている例も多いように思います。

その場所の良さを引き立てる光の大切さが浸透し、日本中で個性のある夜の風景が増えることを切に願います。

そのために自分が出来ることは、目の前の仕事をひとつひとつ丁寧にデザインをしていく事、そして仕事でなくても地道に啓蒙活動をしていく事なんだと思います。
余談ですが、先日報道ステーションの番組で京都の紅葉の中で古舘キャスターと建築家の安藤忠雄氏の対談が行なわれていました。
番組用にライトアップしたそうですが、さすが映像分野で働くスタッフだけあって、カメラからの視線が意識された美しいライトアップになっていました。プロ顔負けです(というかあちらもプロですね)。
(参考→誰かのブログ